2025-08-23

皆さん、こんにちは。松戸のなないろ歯科クリニックです。
歯を失ってしまったとき、「元の歯を移植できる」と聞くと驚かれる患者さんもいらっしゃいます。歯の移植は、条件が合えば自分の歯を使って欠損部位を補える治療方法です。今回は、歯の移植とはどのような治療なのか、またどのような場面で必要になるのかについて解説いたします。
▼歯の移植について
歯の移植とは、自分の健康な歯を別の場所に移す治療のことをいいます。医学的には「自家歯牙移植(じかしがいしょく)」と呼ばれ、主に親知らずなど噛み合わせに関与していない歯を、歯を失った部位に移植して再利用する方法です。
この治療にはいくつかの条件があります。
- 移植に使う歯が健康であること
- 移植先の骨の状態が良好であること
- 年齢が若く、歯の根が未完成な場合ほど成功率が高いこと
とくに若い患者さんで、まだ親知らずの根が完成していないような場合には、移植後に歯の神経が再生することもあり、機能的にも優れた治療結果が期待できます。松戸の歯科医院でも、インプラント治療の代替手段として歯の移植を検討するケースがあります。
歯の移植は、インプラントのように人工物を使わず、自分の歯で噛めるようになるという点が大きな利点です。また、噛み合わせや歯茎とのなじみも自然で、審美的な回復も可能です。
ただし、全てのケースで適応できるわけではなく、CT検査などを行ったうえで、歯科医師が適応を慎重に判断します。
▼歯の移植が必要になるケース
歯の移植が検討されるケースには、以下のようなものがあります。
●重度の虫歯で抜歯が必要になった場合
大きく崩壊してしまった歯は、抜歯せざるを得ないことがあります。このとき、親知らずが機能しておらず、不要である場合には、その歯を移植して補うことが可能です。人工物ではなく、自分の歯で再び噛めるようになるのは大きなメリットです。
●外傷などで歯を失った場合
転倒やスポーツなどで歯を失ったとき、移植によって天然の歯の機能を取り戻せる可能性があります。とくに成長期の子どもでは、インプラントが適応外であるため、歯の移植が治療の選択肢となります。
●歯周病が原因で歯を失った場合
歯茎や骨の状態によっては、歯周病で抜歯した部位にも歯の移植が可能なことがあります。ただし、重度の歯周病で骨が大きく吸収されている場合は、事前に歯周病治療や骨造成が必要になることもあります。
●矯正治療の一環として
一部の矯正治療では、噛み合わせを整えるために、親知らずを移植して歯列を補うケースもあります。矯正と移植を組み合わせることで、より自然な噛み合わせと審美性を追求できます。
松戸エリアの歯医者では、患者さんの状態に合わせて、歯科用CTや精密な診断機器を活用して治療計画を立案しています。歯の移植は技術と経験を要する治療ですので、関心のある方は専門的な診断を受けてみることをおすすめします。
まとめ
歯の移植は、自分の歯を使って失った歯を補える優れた治療法です。特定の条件を満たすことで、機能的にも審美的にも自然な結果を得ることができます。虫歯や歯周病で歯を失ってしまった方、親知らずが残っている方は、移植の可能性について歯科で相談してみましょう。当院でも、患者さん一人ひとりに適した治療方法をご提案しております。歯に関するご相談は、松戸のなないろ歯科クリニックへお気軽にご相談ください。